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本コラムは、【連山】に 2006年12月25日に投稿したコラムです。

 

【旧連山コラム】世界各地に存在する洪水伝説
橘みゆき 2006年12月25日

 

世界各地に存在する洪水伝説

インド洋全域に津波を発生させたスマトラ島北部の地震から2年経過しました。
自然が猛威を振るうとき、人間は無力であることを思い知らされ、謙虚になります。
自然を自分たちの思うとおりにコントロールする西洋的アプローチから自然との共存を図る東洋的アプローチに切り替えないと、再び傲慢な態度に戻ってしまいます。
そして悲劇は形を変えて繰り返されます。

前車(ぜんしゃ)の轍(てつ)を踏む

この言葉は、前の人と同じような失敗をあとの人が繰り返すことを指します。

ずいぶん前に見たバラエティ番組の中で、ペンギンの群れがコロニーから海へ移動するときに一列に並んで行進するのですが、たまたま先頭を歩いていたペンギンが雪のコブにつまづいて転んだのですが、後に続くペンギンが何匹も同じ場所で転んでしまうという映像をオンエアしていました。

全てのペンギンが先頭のペンギンに恥をかかせないために転んでいるのかもしれませんが、同じようにコブにつまづいているのかもしれません。
足を踏む位置をちょっとずらせば転ばずに済むのですが、それをしないのはなぜだろう?
先頭のペンギンがクレバスに落ちたら全滅するのでしょうか?
人間もこのペンギンと同じようなことをしているのではないか?
いろんな疑問がわきました。

先人が犯した過ちを忘れないようにするためには、失敗から何を教訓として見出し、失敗を繰り返さないようにするにはどうすれば良いのかを考え、回避できるものは回避したり、避けられないものは被害をできるだけ減らすことを実行しなくてはなりません。
温暖化が進んでいるせいか、日照りによる被害と洪水による被害が同じ時期にニュースとして流れる日が増えています。
日本でも長雨や台風により洪水警報が出る日があり、たいへんな被害をもたらしました。
木を切りすぎて禿山となり、洪水が繰り返されるなら、木を植えたり、洪水が発生してもいいように遊水池を作ったり、費用や時間はかかりますが対策はいくつもあります。
古代エジプトのように洪水を逆手に取って、洪水で運ばれる土砂により肥沃な土地にしてしまうのも方法の1つです。
日本のように壊れない堤防を上流から河口まで作るより、溢れた水を人がいない所に出す方法を模索した方が自然に与える負荷が少なくなります。
こういう前例とは全く異なる発想をしないと、頻発する問題に対応できなくなります。

 

世界各地の洪水伝説

今回取り上げる話は、そういった異常気象の程度ではなく、旧約聖書の創世記に記録されている ノアの箱舟 レベルの話です。
ノアの洪水の他、有名なものでは、バビロニアの ギルガメシュ叙事詩 や、アトランティスやムー大陸が沈んだという伝説あたりでしょうか。
そのほか、日本や支那をはじめアジアにも大洪水の話があります。
多くの伝説では人間が増えすぎたため強制的な手段で減らしたと正直に書いているもの(バビロニアの『アトラハシス叙事詩』など)もありますが、神を崇拝しなくなったとか、堕落したとかという教訓的な理由にしています。

大洪水も1回だけ世界同時多発ではなく、時と場所を変えて何度も発生しているように見えます。
先ほど話した「前車の轍を踏む」事態になっているのかもしれません。
目先のことばかり気になってしまい、将来のことはどうにかなるだろうという根拠のない楽観論で問題を先送りし、結局のところ全てを失う羽目になるのを繰り返してしまいます。

 

繰り返される悲劇

私たちの身近に繰り返される悲劇といえば、戦争もそうですが、バブル崩壊や国家破産により、多くの人が財産を失っています。
悲劇の後、しばらくの間はおとなしくしていますが、株式市場に参加するメンバーが入れ替わると先人の教訓はすっかり忘れ去られ、バブルを作っては崩壊するのを繰り返しています。
日本でいえば、昭和のバブルが崩壊した後でも、ITバブルやリートによる住宅バブルなどがありました。
(日本の住宅バブルはまだ崩壊していませんが、アメリカや支那の住宅バブルは崩壊してます)

日銀というお役所はバブルを何度も崩壊させてきた当事者でした。
昭和のバブルの時は不動産への貸出総量規制とBIS規制の受け入れ、アジア通貨危機の時は円キャリーの反転、今回は量的緩和の解除に伴う銀行に提供するマネーを24兆円引き上げ、ファンドに対する規制の強化を行っています。
市場に出回るマネーを急速に引き上げるわけですから、貧血状態となり、相場は冷え込みます。
今までは日本やアジアだけで済みましたが、今回は日本のマネーで世界中の相場(商品相場も含む)を上げていますから、3月から5月にかけて相場が冷え込みました。
今現在、値を戻しているのは不自然ですから、どこかで飛ばしをしていたり、巧妙に隠していたりしているのではないでしょうか?
いつまでも隠せるものではありませんので、いずれバレたとき、悲劇の幕が開くこととなるでしょう。
相場が上がるときは、今までになかった素晴らしいやり方が開発されたから今度は崩壊しないだろうと多くの人が言いますが、上がったものはいずれ下がります。
上げる幅が大きければ大きいほど、下げに転じたときの悲劇も大きくなります。
ちょうどダムに水を貯めていて、貯めすぎて水圧でダムが崩壊してしまったというイメージに似ています。
市場の急速な崩壊は、21世紀におけるノアの箱舟が必要となるほど大規模かつ長期にわたる大洪水となりかねません。

橘みゆき 拝

Neo-Generation.NETへ再掲載:2009/07/31 橘みゆき 拝

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