書評 広瀬隆「資本主義崩壊の首謀者たち」

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この本は、現在、世界中の人が悩まされている金融危機の責任者を指弾したものです。
指摘されている連中は、おもにアメリカの経済閣僚や大銀行の経営者たちですが、連中のルーツはヨーロッパである、と解説しています。


1)金融危機の責任者たち

この本で、最大の責任者の一人とされているのは、ロバート・ルービンです。

<ロバート・ルービン>
1932年生まれ。ハーバード大学経済学部を首席で卒業。その後、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスに進学、さらにエール大学ロースクールで法学を学ぶ。
1966年、ゴールドマン・サックスに入社。1990年に共同会長に登り詰める。1993年、クリントン政権の経済担当大統領補佐官に就任。1995年、同財務長官に就任。

---引用開始---
彼がおこなった数々の行為の中で、まず第一の責任は、早くからシカゴ先物取引理事、ニューヨーク先物取引理事として、全米の先物取引を隆盛させたことにあ ります・・・(中略)・・・これまで人類の必需品として存在しなかった架空の数字をやりとりして、無から有を生み出すのが、デリバティブと呼ばれる金融商 品なのです。ですから、先物取引もデリバティブのひとつです。(中略)

第二の責任は、1990年からゴールドマン・サックス共同会長に就任して、文字通り、投資銀行界の牛耳をとり、アメリカ国内の投機事業をますます盛んにし たことです。しかもそのウォール街の金融を規制する側の、証券取引委員会(SEC)の顧問と、連邦準備制度理事会(FRB)の国際資本市場顧問委員とし て、国家の規制を緩和する方向に誘導してきた張本人でもありました。

第三は、ソ連崩壊後のロシアで、エリツィン大統領がルービンをロシア民営化の経済顧問に指名し、ロシアの投資ビジネスを委託したため、民営化にさしかかったロシア国内にルービンの息がかかった投機屋による泥棒行為が横行して、ロシア経済を大混乱に導いたことです。

第四は、1993~95年にクリントン政権の経済担当大統領補佐官、続いて95年から財務長官に就任して、クリントン政権時代に貧富の差を急拡大しました。
腐敗した巨大ヘッジファンド、ロング・ターム・キャピタル・マネージメント(LTCM )が1998年に破綻した時、ルービンが金融投資業界を総動員して救済したため、借金を元手にしたヘッジファンドによる投機が規制されずに、その後も広大 なバブル投機がウォール街にはびこったのです。

第五は、財務副長官のローレンス・サマーズと組んで、1999年に金融サービス近代化法を制定して、銀行と証券会社の兼業禁止(1933年のグラス・スティーガル法)を撤廃させて、商業銀行が投資家に証券を販売できるように改悪してこと。

第六は、グラス・スティーガル法を廃止した直後、1999年にホワイトハウスを退任して、自らその甘い汁を吸うことができる全米最大の商業銀行シティグ ループに移籍し、莫大なストック・オプションを獲得。この年から、サブプライムローン崩壊の恐慌が起こる2008年8月までの9年間、シティグループ経営 委員会議長として実力トップの辣腕をふるい、サブプライム・ローンを中心とするハイリスクの金融商品にシティの最大の投資を求める経営方針を指令し続け、 最後に2008年11月、シティの経営破綻を招き、全米からシティグループ崩壊の責任者をして非難を浴びました。
---引用終了---

このロバート・ルービンという人物は金儲けのことしか頭にないので、政府の重要なポストに就くと、自分とその仲間が都合のいいように政策を動かしました。
狐にニワトリ小屋の番をさせるようなものでした。なぜこのような人物が政府に入り込めるのか、甚だ不思議ですが、アメリカ政府はこれが普通のようです。

その他、ローレンス・サマーズヘンリー・キッシンジャーアラン・グリーンスパンなどの名が、戦犯としてあげられています。
彼らは皆、同じ穴の狢で、自分達の利益のために法律を変え、政策を動かし、世の中を変えてきました。
大きな影響力を持ち、責任ある立場にいながら、市民の財産や生活など気にもかけず、やりたいほうだいやってきたのです。
まさにモラルハザードここに極まれり、という感じです。


2)オバマ大統領を取り巻く人脈

腐りきったアメリカの金融界は、オバマの登場によって、浄化されるのでしょうか。
しかし、残念ながらその望みは薄いようです。
まず、当選後に組織された政権移行経済顧問委員会のメンバーがひどい。

<ポール・ヴォルカー
元FRB議長。1985年のプラザ合意で日本を国際市場から締め出し、日本のバブル経済を生み出した。FRB退任後、ジョージ・ソロスと組んで投資の世界に入った。

ローラ・タイソン
クリントン政権の大統領経済諮問委員会の委員長で、貧富の差を拡大するシステムのエンジンとなり、退任後はモルガン・スタンレーの重役になった。

<ウィリアム・ドナルドソン>
大手投資銀行ドナルドソン・ラフキン・ジェンレットの創業者でブッシュ一族の長年の友人。ブッシュ大統領から証券取引委員会(SEC)委員長に任命される。マーチャント・バンカー規制解除のために証券会社のレバレッジ比率を3倍に高める法改悪を進め、批判を浴びる。

なんと、ロバート・ルービンとローレンス・サマーズもこの委員会のメンバーになりました。
そして、この面々によって財務長官に選ばれたのが、ティモシー・ガイトナーです。

ティモシー・ガイトナー
1998年~2001年クリントン政権で、ルービン、サマーズのもとで財務次官を務める。2003年、ニューヨーク連邦準備銀行総裁に就任。
グラス・スティーガル法撤廃の立役者の一人。

この経歴からして、連中とお仲間だとわかります。
つまり、この金融危機を引き起こした張本人たちなのです。オバマ大統領は「自分の尻は自分で拭かせる」つもりなのでしょうか。それとも、オバマも彼らの・・・?

その他のオバマの人脈も不可解なところがあります。
たとえば、

<ペニー・プリッツカー>
シカゴ最大級のユダヤ人富豪。大統領選挙の際、オバマ陣営の金庫番を務めた。

ラーム・エマニュエル
オバマ政権の大統領首席補佐官。シカゴ出身のユダヤ人。アラブ人とイスラム教徒を激しく憎むラディカルなシオニスト。クリントン政権にて政治顧問だった。退任後、ユダヤ系投資銀行ワッサースタイン・ペレラのシカゴ支店長を務める。(ワッサースタイン・ペレラは、ロスチャイルド系統の銀行のラザール・フレールを買収)
その後、住宅金融会社フレディー・マックの理事に就任。不正会計が発覚して退任。


今まで名をあげた、ロバート・ルービンからラーム・エマニュエルまで、彼らにはある共通点があります。
それはみんなユダヤ人だ、ということです。(皆、ロスチャイルドの息がかかっていると著者は述べています)

恐るべき、金融ユダヤ人。彼らはなぜ、ここまで徹底的にやるのでしょうか?




3)金融危機を乗り越えるために

この本の中で、著者は、デリバティブがいかに我々の生活から離れたところで勝手に動き回り、我々の生活を脅かしているかわかりやすく説明しています。
CDSなどの金融商品は天文学的な数字に膨れ上がり、破裂したら資本主義が崩壊するのではないかと思われますが、CDSなど私たちの生活には、本来、何の関係もないのです。
彼らが勝手にはじめたゲームであり、自滅するのも彼らの勝手です
なぜ、我々が巻き込まれなければならないのか?そんな怒りが私たちには欠けているように思います

私は資本主義がダメになってもいいような気が、最近しています。
なけなしの貯金がなくなり、年金もなくなり、今までのような安閑とした生活はできなくなってしまうかもしれませんが、働く気力と健康な体があれば、案外生きていけるのではないでしょうか。
家族や仲間たちと助け合い、知恵を出し合い、シンプルに生きていく。お迎えがきたら、ジタバタせずに運命を受け入れます。
そのかわり、私たちを家畜のように考えている連中には一人残らず消えて欲しいと思います。
















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このページは、Yasuhito Oyaが2009年8月21日 00:32に書いたブログ記事です。

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