本コラムは、【連山】に 2007年04月24日に投稿したコラムです。
【旧連山コラム】バブルの発生と覇権の移行
橘みゆき 2007年04月24日
鴨長明が方丈記の冒頭部分で、こう書いています。
「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。
世の中にある人とすみかと、またかくの如し。」
資本主義の歴史を振り返ると、覇権が風船の如く、いろんな国から、別の国へ移っています。
また、川に浮かぶ泡みたいに、バブルが発生し、そして崩壊しています。
ある国で経済が成長し繁栄した後、成熟期、衰退期を経て、今度は別の国が成長路線に入るといったサイクルが繰り返されている。
そんな風にも見えます。
歴史的なバブル崩壊
| チューリップバブル | ミシシッピィ会社 | 南海泡沫事件 | 世界大恐慌 | 昭和のバブル | 上海バブル? | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1637年 | 1719年 | 1720年 | 1929年 | 1990年 | 2009年? | |
| 国 | オランダ | イギリス | フランス | アメリカ | 日本 | 支那 |
| 覇権の移行 | スペインからオランダ | オランダからイギリス | オランダからイギリス | イギリスからアメリカ | アメリカから日本? | |
| 対象資産 | 球根 | 株 | 株 | 株 | 土地と株 | 土地と株 |
1588年、アルマダの海戦でイスパニアの無敵艦隊がイギリスに大敗し、1609年にオランダが事実上独立した。
オランダ東インド会社から上がる貿易による莫大な利益はオランダ経済を潤した。
そんな中でチューリップバブルが発生した。
オランダ人が庭に植えるために珍しいチューリップの球根を競い合って買ったわけではなかった。
チューリップの球根が資産として価格が急上昇した理由は、今日買った球根は明日はもっと高値で売れるはずだという期待感であった。
最初は金持ちが、最終的には大半のオランダ人がチューリップの球根を買うために借金をしたりするありさまだった。
一般市民が投機に夢中になる頃には終幕が近くなっている。
バブル崩壊後、経済が収縮するため、バブルに参加していない堅実な人も苦しむのは、当時も今も同じである。
チューリップバブル以降、数多くのバブルが発生し、崩壊してきた。
バブルが発生するには、余剰資金の蓄積が必要なため、長い間、貿易黒字を稼ぐ必要がある。
その時代の覇権国は貿易赤字国の場合が多いため、覇権国の同盟国でバブルが発生するケースが多い。
歴史的なバブルを経験した国は、その後、覇権国となっているケースと、そうでないケースがある。
フランスで発生したミシシッピィ川の開発を巡るバブルと、イギリスで発生した南海泡沫事件は、ほぼ同時期に発生しているが、覇権を握ったのはイギリスであった。
上の表を見ると、覇権の移行は100年位で発生している。
19世紀前半にイギリスが覇権を握り続けたのは、フランス革命やナポレオン戦争にヨーロッパ大陸の国が疲弊したことと、ヴィクトリア女王の時代となり大英帝国の繁栄が続いたからであろう。
であれば、アメリカが日本や支那に覇権が移らないという未来もありえる。
・・・そんなことを2000年のITバブル崩壊を横目に考えていたのだが、世界中を飛び交うマネーによって、頻繁にバブルが発生し、崩壊している。
バブルを起こすだけの余剰資金は、最近こそオイルマネーが増えてきているが、よくよくみると日銀が低金利でばら撒いているマネーが種銭となっているようだ。
北京オリンピック後、支那の経済が低迷し、上海株が暴落したとすると、回りまわって日本が支那からマネーを引き揚げたためと未来の経済学者が書くかもしれない。
もっとも、アメリカの次に覇権を握るのが、日本でも支那でもなく、どこの国でもないという三国志時代の支那みたいな展開になるのかもしれない。
支那とアメリカのバブル
日本のバブル崩壊が1990年に開始したとして17年経過しました。
日経平均も一時期8千円あたりでしたが、2007年4月現在、17500円前後です。
2000年の米国でのITバブル崩壊を振り返ると、短期間で株価が3倍になるような急上昇の後、だいぶ株価が下がっているようです。
昨年はインドやドバイで株価が半値になり、今年の2月や3月に上海発の世界同時株安をしましたが、2-3年前の株価水準から大分上昇しているため、調整局面だといえます。
ちょっとしたニュースで大きく上下しているため、バブルに参加している人達がそろそろ手を引こうとしている局面です。
また、アメリカでも住宅バブルが崩壊する直前です。
日本から低金利でマネーを調達して、世界中で運用することで利益を上げています。
日銀が金利を上げたり、市場に供給するマネーを減らしたり、回収したりすると、世界中で金欠状態となり、世界各国で株安となります。
また、資金繰りをするため、儲かっているGOLDを売却するため、GOLDも一緒に下がります。
余裕資金があり、GOLDが好きな人にとっては、世界同時株安はGOLDのバーゲンセールとなります。
橘みゆき 拝
※経済予測ならびに投資の最終決定は、ご自身の判断でなされるようお願いします。投資は自己責任です。
【関連する図書】方丈記 (著:鴨 長明 ) (青空文庫)
決定版 大国の興亡―1500年から2000年までの経済の変遷と軍事闘争〈上巻〉 著:ポール・ケネディ
決定版 大国の興亡―1500年から2000年までの経済の変遷と軍事闘争〈下巻〉 著:ポール・ケネディ
経済大国興亡史 1500-1990 <上> 著:チャールズ・P・キンドルバーガー
経済大国興亡史 1500-1990 <下> 著:チャールズ・P・キンドルバーガー
新たな黄金時代―腐敗政治と経済混乱が新時代の革命を生む 著:ラビ・バトラ
Neo-Generation.NETへ再掲載:2009/07/01 橘みゆき 拝
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